技術コラム

焼き入れの種類について

2025.11.05

焼き入れとは?

焼き入れとは、金属(主に鋼)を高温に加熱した後、急冷することで硬度や耐摩耗性を高める熱処理方法です。金型部品では、耐摩耗性・耐衝撃性を向上させる目的で使用されます。生産数量が多い製品の金型や、ガラス等の添加剤を含む樹脂を成形する金型にもよく使用します。

焼き入れの工程

  1. 鋼をオーステナイト変態温度(約800〜900℃)まで加熱。
  2. 水・油・空気などで急冷
  3. 組織がマルテンサイトに変化し、硬くなる。

焼き入れの主な種類と特徴

1. ズブ焼き入れ(全体焼き入れ)

  • 素材全体を加熱し、芯部まで硬化させる方法。
  • 引張・圧縮に強く、均一な硬度が得られる。
  • 大型素材では内部までの加熱が困難。

2. 表面焼き入れ

  • 表面のみを加熱・急冷して硬化させる方法。
  • 内部の靭性を保ちつつ、表面の耐摩耗性を向上。
  • 主な手法:
    • 高周波焼き入れ:電磁誘導で加熱
    • 炎焼き入れ:バーナーで加熱
    • レーザー焼き入れ:レーザー光で加熱

3. 浸炭焼き入れ

  • 素材表面に炭素を浸透させた後に焼き入れ。
  • 表面硬化+内部柔軟性で衝撃に強い。
  • 浸炭深さは約0.8〜1.0mm。炭素量の少ない鋼にも適用可能。

4. 真空焼き入れ

  • 真空炉で加熱し、窒素ガスなどで冷却。
  • 酸化・脱炭が起きず、光沢性に優れる。
  • 金型によく使われるのは真空焼き入れ。

5. 塩浴焼き入れ

  • 塩浴中で加熱・冷却する方法。
  • 酸化・脱炭が起きにくく、均一な硬度が得られる。

6. 雰囲気焼き入れ

  • 不活性ガスなどを用いて酸化・脱炭を防ぎながら加熱。
  • 素材の肌が荒れにくく、精密部品に適している。

  

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この記事の執筆者

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  •                                

    野中啓志(成形技術課)

                                   

    富山県の金型メーカーで10年間、金型設計に従事。2024年に静岡県の成形メーカーの金型部門に転籍。多段式射出成形金型の開発や展開に取り組んでいます。