技術コラム

インサート成形について解説します!

2025.11.07

インサート成形とは、金属や異素材の部品を金型にセットし、その周囲に樹脂を射出して一体化させる成形方法です。金属の強度と樹脂の軽量性を組み合わせられるため、電子部品や自動車部品などで広く使われています。

インサート成形の仕組み

  1. インサート部品の配置
    • 金型が開いている状態で、金属部品(ナット、ネジ、板金など)や異種樹脂部品を所定位置にセット。
    • 手作業またはロボットによる自動挿入が可能。
  2. 樹脂の射出
    • 金型を閉じ、溶融樹脂を射出。
    • 樹脂がインサート部品を包み込み、一体化。
  3. 冷却・取り出し
    • 樹脂が固化した後、金型を開いて製品を取り出す

メリット

  • 組立工数の削減:金属部品と樹脂を一体成形するため、後工程の組立が不要。
  • 強度向上:金属インサートにより、樹脂単体では得られない高強度・耐久性を実現。
  • 精度向上:部品の位置決めが金型内で行われるため、寸法精度が高い。
  • 信頼性向上:電子部品やコネクタなどで、接触不良やズレを防止。

デメリット・課題

  • 金型設計が複雑:インサート部品の位置決めや保持機構が必要。
  • 成形コスト増:インサート部品の装着に人手が必要な場合、成形費が上がる。
  • リサイクル困難:金属と樹脂が一体化しているため分離が難しい。

主な用途

  • 電子機器:コネクタ、スイッチ、IC封止材
  • 自動車部品:ギヤ、ハウジング、センサー部品、シートベルトバックル
  • 医療機器:精密部品、耐久性が必要な器具
  • 日用品:充電ケーブルの端子、家電の配線部品

竪型ロータリー成形について

竪型ロータリー成形とは、インサート成形において、生産性の高い成型方法です。固定側(上型)が1面、可動側(下型)が2面あり、可動側(下側)が回転テーブルで可動する構造になっています。可動側(下型)が2面あることで、片方を成形している間にもう片方では『製品取り出し、インサートセット』を行えるので、内段取りを外段取りにでき、生産性が向上します。

まとめ

インサート成形は、異素材を一体化して高機能・高強度な製品を作る技術です。組立工程を減らし、精度や耐久性を高められる技術です。インサート部品の位置決めや保持機構の設計にノウハウが必要ですが、当社では多数のインサート金型製作実績がございます。また、当社ではインサート部品に合わせ、金型寸法を仕上げるノウハウも保有しております。インサート金型は当社の得意分野ですので、是非ご相談ください。

この記事の執筆者

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  •                                

    野中啓志(成形技術課)

                                   

    富山県の金型メーカーで10年間、金型設計に従事。2024年に静岡県の成形メーカーの金型部門に転籍。多段式射出成形金型の開発や展開に取り組んでいます。