技術コラム

射出成形におけるゲートシールとは?

2025.11.05

ゲートシールとは?

  • ゲートシール時間とは、溶融樹脂がゲート部で冷却・固化し、キャビティとランナーが遮断されるまでの時間です。
  • この時間までは、保圧(保持圧力)がキャビティ内に有効に作用し、ヒケや寸法変化を抑えることができます。

ゲートシールの目的と役割

目的説明
保圧の有効時間の把握ゲートが固まるまで保圧が効くため、適切な保圧時間設定に不可欠
ヒケ・ボイドの抑制シール前に十分な保圧をかけることで、収縮や空洞を防止
寸法安定性の確保適切なゲートシールにより、製品の寸法ばらつきを抑える
成形サイクルの最適化無駄な保圧時間を削減し、サイクルタイムを短縮

ゲートシール時間の測定方法

  1. 射出条件を一定にして複数ショット成形
  2. 保圧時間のみを1秒ずつ延長
  3. 各ショットの製品重量を測定
  4. 重量が一定になる時間をゲートシール時間と判断

この「重量の頭打ち」になるタイミングが、保圧が効かなくなった=ゲートシール完了の合図です。

ゲートシール時間の設定ミスによる影響

状況問題点
短すぎるヒケ・ボイド・密度不足・寸法不良
長すぎるサイクルタイムの無駄・過保圧によるバリ発生

影響を与える要因

  • ゲート形状・サイズ:小さいほど冷却が早く、シール時間が短くなる
  • 金型温度:低いほど早く固化
  • 樹脂の種類:熱伝導率や粘度により異なる
  • 製品の肉厚:厚いほど保圧が必要でシール時間も長くなる

保圧時間設定の目安

  • 一般的に、保圧時間 ≒ ゲートシール時間 × 1.1 程度が目安とされます。
  • ゲートシール時間の把握は、成形条件の最適化と品質安定化に直結します。

この記事の執筆者

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  •                                

    野中啓志(成形技術課)

                                   

    富山県の金型メーカーで10年間、金型設計に従事。2024年に静岡県の成形メーカーの金型部門に転籍。多段式射出成形金型の開発や展開に取り組んでいます。